イコロの森

工藤敏博の植物日記

カテゴリー: 日記の記事一覧

2019

10.1


日記

現金主義

今日から10月。
本格的な秋の季節に入りますが、明日明後日は札幌では夏日になるようで、その暑さが過ぎた後でしょうかね秋は。

 

昨日も良い天気、恵庭の借りている畑で、伸びたつるバラの支柱立てをしてきました。
ランブラーのWhite Dorothy Perkinsなど、3m以上も伸びていい感じ。
宿根草類もでこぼこはありますが、エキナケアの赤花がボリュームが出て目立っていました。
後一ヶ月ほどで掘り上げになりますが、どこまでおがる(北海道の方言で成長する、大きくなる、自分頻繁に使います)か?期待したいものです。

 

さて今日から消費税アップ、軽減税率やらポイント還元やら、複雑怪奇ですね。
何故か同時にクレジットカード、デビットカード、電子マネー、QRコード等々、キャッシュレス化が声高にアピールされています。
カードはほとんど使わず、ポイントなんかには全く無関心、スマホも持っていない自分は全く蚊帳の外です。

 

現金主義というわけではないのですが、どうにもこの一連の動きには懐疑的です。
海外ではいちばんの現金主義と言われるドイツ、昔どこへ行ってもカードが使えず難儀しました。
JCBカードなんて、そんなの見たことないと言われ、鼻にもかけない。
今はだいぶ変わっているのでしょうが、まだまだカード普及率は低いようです。
一方、ドイツの電車や地下鉄の駅に改札がないのには驚きました。
乗車券を持たなくても乗れます。
ただし、車内で検札があり乗車券を確認して回っており(自分は一度も遭遇しませんでしたが)、もし乗車券無しが見つかれば高額な罰金を払わなければならない。

 

何とかカードやスマホで現金なくても切符を買えたり地下鉄に乗れる日本。でも、ある意味管理されてのことで、個人の意志の尊重や人を信じていないことの裏返しと思えてしまう。

何事も便利さって、本質を見失うことにつながる危うさを伴っていると思います。

 

でも、今にスマホが無ければ何にもできなくなるっていうのも現実味を帯びてきているのかもしれませんね。

うーん。

2019

9.25


日記

台風一過、十勝晴れ

昨日は六花亭の中札内美術村へ。
庭園管理に関る社員の方々への講習でした。

 

往復6時間、昼食をはさんで5時間ずっとしゃべり続け、いささか疲れました。
参加していただいた方々も疲れたでしょうね。
相変わらずの工藤の怒濤の一方通行、お付き合いいただきありがとうございました。

 

台風一過、気持ちの良い日、気持ちの良い空間、ゆっくり散策したかったのですが、締め切り過ぎの件が複数ありで札幌にとんぼ帰り。
10月20日まで営業とのことですが、秋が深まれば紅葉も見事でしょうね。
時間が許せばもう一回行きたいものです。
そんな居心地の良い空間でした。

 

カツラ林や後付けのヘッジ植栽がつくる安定感のあるスカイライン、デザイン性の高い枕木や札幌軟石の園路舗装等々、随所に質の高さを感じました。
その中のガーデンは、札幌のデスクKの高田さん主導で作られています。
やっと埋まってきたとのことでしたが、背景ができているのであとは微調整していけばいいので楽しいと思います。

 

問題は園丁、ヘッドガーデナーでしょうね。
質の高い場面、かなりの力量が求められます。
王様の庭、王様の意図を汲んで、植物、景観サイドからの議論、キャッチボールが重要になるかと思います。

 

イングリッシュガーデンではなく、十勝らしいガーデンを期待したいものです。

2019

9.18


日記

クラピア

昨日は久しぶりに少し遠出、ニセコ方面へ。
途中、真狩の空の庭へ顔出し。

 

庭の管理担当者が替わり、どうかなと思って行きましたが、除草も行き届いておりいい感じ。
次の日曜22日にマルシェがあるので、頑張ったんでしょうね。目標があるのはいいことです。
何よりも各植物の生き生きとしたパワーを感じました。
バラもほぼ落葉は無し。こうでなくっちゃ。
やはり地力ですね。

 

マルシェ時には駐車場になるガーデン横の敷地。
芝生のように見える緑は‘クラピア’です。

 

空の庭のWebから拝借した8月上旬の状態。

防草シートに穴を空けて植えていますが、今は全く防草シートは見えません。

 

数年前から芝生替わりにと本州では話題ですよね。
イワダレソウ( Lippia nodiflora)かと思っていましたが、イワダレソウとヒメイワダレソウを交配して作出された園芸品種のようですね。
‘クラピア’の「クラ」は開発者である宇都宮大学の故・倉持仁志先生の「倉」、「ピア」はリッピアの「ピア」が由来とのこと。
なるほど。

 

イワダレソウは昔百合が原公園の大温室で鉢植えとグランドカバーで使っていましたが、屋外では全く無理と思っていました。
空の庭のオーナーの富田医師のチャレンジですが、どうなるか?
自分は保たない方に賭けますが、こういう試みはいいと思います。

 

秋晴れの天気、気持良いドライブでした。
ニセコの用事を済ませ、急ぎ札幌に戻ってまた、デスクワーク。
いい息抜きになりました。

2019

9.14


日記

除草

相変わらずバラ頭のデスクワークが続いていますが、合間にやる自宅の除草やらがいい気分転換になっています。
机に向かうのが長続きしないのはガキの頃からと変わらない。

 

どこもそうでしょうが、今の時期の除草は今シーズン最後となります。
お疲れ様でした。
除草だけでなく、これからの作業は全て今シーズン最後かもしれませんね。
バラだって、今切った後はもう咲かない訳ですから。

 

自宅の裏口(正面玄関は現在閉鎖しているので実質的にこちらが玄関になっていますが)、ナツヅタやクレマチスで覆われていますが、今日はこの中のカタバミ狙いかな。

 

「雑草という言葉はない」との昭和天皇のお言葉は有名ですが、自分も雑草と一括りにして扱うのには抵抗があります。
小学校のグランドなんかでは全てが雑草でしょうが、自然界では地面や植物を守るいい地被植物になっている場合も多いですからね。

 

除草をしながら相手の草のこともいろいろ考える。
先ず敵を知る、ですね。
百合が原公園では、花壇内にあってはいけない草(雑草とは言いませんでしたよ)の写真付きの一覧を作っていましたっけ。
一年生と多年生の違いとか、切断して再生するかどうかなど。
そこそこによって種類も割合も違います。
そういうの、どこも管理上必要と思います。

 

一年草はとにかく種子量が多く、その種子寿命が長い。
昨日も抜いたシロザなんかは、種子生産量は1株当たり7万個、大株になると50万個の例もあるようで、しかも土中種子の寿命は数十年もあるそう。
どひゃーですね。タネを付けたら大変。
一方多年草はその再生力、栄養繁殖力にあります。
厄介なスギナやヒメスイバ、シバムギなんかですね。
オオバコなんかは頭刈っても余計勢いよく再生し、種子は濡れると粘着力を持ち人の足に付いて拡散する。
雨の後芝生の上を歩くだけで拡散させ、しかも踏圧は芝なんかよりよっぽど強い。芝生で広がるはずですね。

 

いずれにしてその生命力には感服せざるを得ません。
いつもそんな畏敬の念を持って除草してます。
除草、何よりも好きです。

2019

9.7


日記

バラ頭

昨日は、一日自宅でデスクワーク。昨日も、ですね。
今日も引き続き。
某所の新たなバラ園の品種選定、佳境です。
本来なら8月末に終了予定でしたが、全体計画がずれ込み今に至っています。
9月15日完了の予定。

 

品種を上げても入手できなければ使えないので、入手先、委託生産の可否も予想しながら進めています。
世の中どうしても新しい品種が主体になっていますが、やはり栽培してみての安定感を重視すれば、実績のある品種を使いたくなります。
それが日本では難しくもあるのです。

 

今庭で咲いているBonn。
Kordes、1950年作出とされるハイブリッドムスク (HMsk)。
どちらもKordesのHTのHamburgとFlのIndependenceの交配種で、何でHMsk?ですが、
Hamburgの子房親はKordesの赤のHMskのEva、さらにその子房親はPembertonのRobin Hoodなので、やはりHMskの血が濃い。
放射状に広がる枝の樹性は明らかにHMsk。
このオレンジ赤の花色はHMskでは珍しく、ムスクの香りも楽しめ使いやすい品種です。

 

この株、10年以上前にドイツから輸入したものからの増殖品ですが、今はどこも扱い無し。
こんな品種いっぱいある。
それをどうしようかと頭を悩める。
今日も一日バラ頭。それも楽しくはありますけど。

 

昨日で胆振東部地震から1年だったんですね。
合間に街なかの銀行に付き合いましたが、昨日から大通公園でオータムフェスト。
夕方からの雨模様でしたが、結構な賑わいでした。
「喉元過ぎれば熱さを忘れる」、そんな思いがよぎりました。

何だかな〜