イコロの森

工藤敏博の植物日記

カテゴリー: 日記の記事一覧

2020

4.22


日記

新生ナーサリー

本来であれば昨日21日がオープンであったイコロの森。
ご案内したように取りあえず7日まで延期したため、雨模様の静かな日になりました。

 

ナーサリー、
DMではご案内しましたが、今シーズンは売り場としではなく、ナーサリー本来の栽培ヤードとしての機能としました。
もちろんご希望の方には販売もしますが、従来の販売台を撤去し、関るスタッフも栽培管理を重視して基本接客対応はしません。

 

植物の栽培管理>植物の販売、とした訳です。
同じ場所でこの両立はなかなか難しく、いままでかなり悶々としていました。
そっけなくはなりますが、良い植物を皆さんに利用してもらえることが重要と考え、それが我々ができるいちばんのサービスと考えました。
植物種類も今までの広く浅くを見直し、自分たちが使ってみたい、皆さんにお薦めしたいものだけに絞り込みました。
そうは言ってもまだまだ初年度、いろいろ試行錯誤もつづきますが、ある意味吹っ切れたと思います。

 

少し戸惑うかもしれませんが、どこかの生産農場を訪れたと思っていただければと。
それはそれで、宝ものを探すようで楽しくはあると思っています。

 

先日からハウスから苗出しを行い、昨日ほぼほぼ出し終わりました。
スカッとしていて壮観でした。

 

昨日から通販サイトも復活しました。
宿根草はいつもながら見てるだけで楽しく、勉強になります。
バラもありますが、今年は期待していたドイツからの輸入がこの騒ぎにどっぷりはまり、とても出荷どころではなく断念することに。
結果残念ですが品種数は少なくなりました。
でもどれもがお奨めですよ。

 

今はじっと堪える時期でしょうが、落ち着いたら是非いらしていただければと。
それまでしっかり苗管理に励みたいと思います。
不測な事態ですが、今年の軌道修正にはふさわしい幕開けだったかもしれません。

2020

4.18


日記

苦渋の選択

って言葉、この状況下ではワンパターンの慣用句のようになっていますが、まさにつらい選択でした。

 

イコロはご存知のように繁忙期でもそれほど過密にはならず、皆さんそれぞれお好みの場所、時間を楽しんでいただいています。
さらに、ご不便をおかけしていますが、公共交通機関はなく、皆さんお車でいらっしゃいます。
そのことから、正直、現下の危険はあまりないかと思っています。
いや、むしろこんな状況だからこそ、植物や庭を通して皆さんの心に少しでも慰めを与えられる場所であるとも思います。

 

ですが、あまりにその目に見えない危険性が未知数であり、数は少ないものの皆さんや我々スタッフの接触回数は確実に増加することになります。
とくにオープン直後のGW中は、例年楽しみにしていただいた皆さんのご来園は多くなります。
そんな中で、様々な予防措置を講じ、利用区域を限定したとしても「安全ですよ、楽しんでください」とは言い切れず、このような判断をさせていただきました。

 

全く先が読めない状況ですが、植物たちは確実に春の目覚めを始め、光を受けて一気に葉を展開しつつあります。
そんな姿を見ていただけないのは本当に残念ですが、シーズン中その時々で変わる様はその時々だけの魅力があります。

 

GW後の7日には、少し変則になるかもしれませんが、ぜひオープンさせたいものです。
その際には改めてご報告させていただきます。
長いシーズンはこれからです。
体調に合わせて、ご都合の良い日に是非お越しいただければと思います。

 

「良い日は巡ってくる、また会いましょう」

ご自愛ください。

2020

4.11


日記

歩留まり良し!

北海道も3日続けての二桁台の感染者数、状況は緊迫しています。
昨日も相次ぎ4月当面の講習やボランティア活動の中止、5月や6月の開催も不確定との連絡が来ました。
現下の状況ではやむを得ないでしょうね。

 

昨日はいわみざわ公園で、毎年この時期に実施しているバラの各株の越冬状況の調査。
みぞれ混じりで寒かったのですが、昨年より株の歩留まりが良く安堵しました。
枝が助かれば寒さも何のその、です。
とくにつるバラは今までにないほど助かりました。良かった!

 

大通公園も然り。

 

やはりつるバラがいい。自分が関ってからいちばんかもしれません。
水曜日にボランティアの皆さんと剪定と誘引をしましたが、ポールの上まで到達している株がほとんどで、やりがいあり。
今日も引き続きの予定でしたが、やはりこの状況下では中止。
管理スタッフと合間を縫って後日進めることに。

 

本当はこんな状況だからこそ、皆さんと冬を乗り切った植物のしたたかさ、逞しさを感じながら作業したかった。
きっと例年とは違った思いを感じられるでしょうから。

 

でも、まだまだ先は長い。
くれぐれもご自愛していただき、またお会いしましょう。
植物はどーんと構えて、いつも変わらぬ姿で待っていてくれるでしょうから。

2020

4.8


日記

つるバラの剪定と誘引

先日からガーデンのつるバラの剪定と誘引を始めています。

 

先ずはホワイトガーデン中央分のパーゴラ、PolstjärnanとSeagull。
Polstjärnanは安定的に枝が残るのですが、Seagullは毎冬かなり枝がダメージを受けていました。
ですが、今年は6m以上も伸びたベーサルシュートが枝先まで残り、ついにパーゴラの天辺まで到達。やっと本領発揮です。
早咲きで花の散りが早いPolstjärnanと、遅咲きで花保ち良いSeagull、今年はお互い異なった魅力を見せてくれそう。

 

昨日はローズガーデン。

 


GoldfinchやらBlush Ramblerやら、全体の1/4程度終了でしょうか。
こちらもほぼ枝が残り、とくにBlush Ramblerは今までで最大級になったかも。

 

イコロでは防寒はせず全て立たせたままですから、積雪は株元だけで枝は冬中露出してます。
それに堪え得る品種を取っ替え引っ替え見極めてきた訳ですが、今存在感のあるものはある程度もう安心できる品種と言えます。
今年からやっとSeagullが加わり、残念だが行きつ戻りつでやっぱり無理と判断して、おさらばする品種(Kew Ramblerなど)もいくつか。

 

こんなのを見てると、冬の気候はもちろん、前年の枝の充実度が歩留まりを左右する。さらにサイドシュートを出す枝、つまり前々年のシュートの充実度までさかのぼる、と改めて思ってしまいます。
脈々と続いていくのですね。

 

それにしても、当たり前だが、枝が残れば誘引に時間がかかる。
楽しくはありますけどね。
花の季節、現下の状況はどうなっているんでしょう。
願わくば、心静かに花見をしたいものです。

2020

4.5


日記

講習一発目

昨日は百合が原公園での講習、バラの基礎講座#1「バラの系統と種類、特性など」。
3月の講習は軒並みキャンセルだったので、昨日が今年の一発目でした。

 

もういいのかな?とも思いましたが、少人数、間隔空け、通気図ればOKとのことで実施。
やはり事前申込者のキャンセルも多かったようで、10名ほど。
一回目は座学。いつもは管理事務所なのを広い温室内に間隔を空けて椅子を並べ、天窓、側窓を開けて通気を確保。
当然自分も含めて全員マスク着用。

 

マスクをしての講習は、30年以上やってきて初めての体験でした。
2時間喋りっ放し、始めは違和感あったものの慣れるもんですね。
聞いてる方の表情が読めないものの、こちらの表情も相手にはわからない、愛想作らなくてもいいのでその点は楽だったかもしれません。
でも、やっぱり異様ではありますね。
そんな中でもお付き合いいただき、ありがとうございました。

 

始まる前に久しぶりに温室内をさらっと見て回りました。

 

写真には入っていませんが、結構入館者がいました。
ツバキもまだまだ咲いていて、いつもなら春を待ちこがれる人でもっともっと賑わっているんでしょうが…

 

ギンヨウアカシアもまだ花が残っていました。
6mほどに育った大株を見る度に、背丈くらいの株を植えたのにな〜と思ってしまいます。

 

奥の壁面にはクレマチス アルマンディ(Clematis armandii ‘Apple Blossom’)が満開。
これもポット苗からでしたね。

 

直径50cmほどに育ったロツス(Lotus hirsutus ‘Brimstone’)。
新芽の葉色がいいですね。寄植え用のチビ苗とは別ものです。

 

満開のデンドロビウムのスペキン(Dendrobium Specio-kingianum)。
ぱんぱんに根が回った8寸鉢の大株。これほど根を回して本領発揮。
やはり大株仕立ては迫力ありますね。

 

どれを見てもよく育ったものだとの見方をしてしまいます。

 

もうすぐ屋外でもいろいろ咲いて来ます。
早く平常に戻ってほしいものです。