イコロの森

工藤敏博の植物日記

カテゴリー: 日記の記事一覧

2018

3.17


日記

のぞき見

昨日も一時は雪模様、だいぶ雪融けが進んだものの、しばらくは行きつ戻りつですね。
まだ暗い今朝の札幌も、湿雪が10cmほど積もっていますが、もう雪かきはしません。
荒々踏み散らしておくだけ、そんな時期ですよね。

 

イコロのハウスも一昨日から内張り開けっぱ、暖房停止としました。
少し早いような気もしますが、ほぼ本来は屋外越冬モノだし、農家も20日頃から育苗の無加温ハウスのビニール張り始まるだろうし。昨日もそろそろ始めた気の早い農家を見ましたからね。
そろそろ締めなければ(低温に慣らさなければ)、あっという間に進んでしまいます。

 

昨日の朝のいわみざわ公園、湿雪が樹木に張り付きそろそろ見納めの冬景色でしょうか。
山側からの雪融け水が詰まった側溝から溢れ出し、水道管破裂かと思われるほどでした。
堅雪になったので、この冬初めてバラの様子を見にバラ園に。
いつも凍害を受けるヤワな2株を狙って雪はねしてみました。
見たくてうずうずしていました。

 

締まった雪がジャスト80cm。
しかっと覆われて中は暖かそう。
この冬は、早めに株が雪で覆われ寒かったものの、前年とは違いますね。

 

PP外して中を覗いてみると、チップから出た上の部分はやはり少し黒っぽく、いつもお馴染みのイヤな枝模様。

 

恐る恐るカチコチに凍って固まっている上部のチップを取り除いてみる。
チップに覆われた部分は傷んでいませんでした!
指先の部分がチップを盛っていた天端、見事にそこで止まっています。

 

これからどうなるかはまだまだわかりませんが、少しは安堵しました。
全貌が現れてまた一喜一憂するのでしょうが、30cm、いや20cmでも枝が助かれば全然違うし、その次に繋がります。

 

ある程度株が出来てきて、少し安心してしまった一昨年の二の舞を踏まないためにも、今後も注意深く見ていきたい。
科学的になんて言っておきながらですが、その辺の見守る目、気持があるかないかって結構重要と思うのです。
とにかく今年の初対面、また機会を見つけて度々のぞいてみたいと思います。

2018

3.15


日記

植え替えしながら

昨日、一昨日とイコロで在庫のバラの植え替え。
一人で3日で終わると宣言していましたが、それぞれ根に合わせてほぐしも異なり用土の詰め方も変えたりしたくなりで、プラス3日でしょうか。
すみません、頑張ります。

 

バラを植える時にいつも話しに出る、接木苗の接ぎ目を土から出すか出さないか。
講習では「出すものあり出さないものあり、モノや目的によって異なる」と禅問答のような話しをしています。

 

昨日いじった接木苗のバラの根(Jimmyさんみたいになっていますが…)。
下の黒っぽい部分は台木の根のかたまり、上の新しい根が、台木の後ろを巻いて上の接ぎ目から伸びた自根。
輸入苗特有の首の長い台木なので、台木を土の中に入れて深植えして自根が発生。
しかし、深植えになった台木の根は酸欠でほぼ傷んでしまった、との結果。

 

このことからどういうことが言えるかというと、
・台木の根を生かすには深植えは禁物
・逆に自根を発生させるには、接ぎ目を土に入れて自根の発生を促す
ということになります。

 

ですので、自根の発生がしづらく、台木に頼らざるを得ないブッシュローズなどは、台木の根を傷めないように極力浅植えした方がよく、店頭販売用などその年の生育を落とさないとの目的の場合も同様。
逆にバンバン自根が出て、将来は自根だけでイケるようなシュラブローズなどは、一年目は多少イジイジするが、早めに自根の発生を促して台木から切り替える方が得策かと。

 

これは同じく昨日植え替えたポリアンサの自根。
全然痛みが無く、均一に根を広げた見惚れるほどの根圏でした。

 

要はそのバラが台木に頼りたいのか、自根でイケるのか、その見極めが重要になります。
それぞれ違うため、一株ごとに向き合う格好です。

それが楽しくもあり。

2018

3.12


日記

久しぶりのノイバラ台木苗

昨日はいわみざわ公園でポットディスプレイ用のバラ苗の植え込み。
急遽、市からの要請で決まったもので、4品種200株。
Scarlet Bonica、Siegfried、Sourire de Mona Lisa、Mainaufeuer、各50株赤ばかり。
お祭りは避けたいので同色の定番の安全パイ。

この時期なので集めるのには力業でした。
どうなることやらですが、やるからには全力でかからねば、です。

 

久しぶりのノイバラ台木苗。
細根多くてほぼほぼ良苗、輸入苗と違って扱い易い。

 

所変われば苗も用土も道具も異なり少し戸惑います。
突き棒と土入れは持参しました。
こればかりは使い慣れたものでなければ能率上がりませんからね。

 

早めに肥培してイケイケでやってみます。

2018

3.8


日記

今季一発目@マルヤマクラス

昨日から今シーズンのバラのラベルの入力をしています。
改めて昔の写真を引っ張ったり、久しぶりに一日中机の前で固まったままで、肩バンバン。

 

ついでに、先日からweb上でご案内しているマルヤマクラスの講習があることから、バラのコンテナ植えの写真あるかいなと見てみると、それが案外ない。
販売ものなどストックするのは全部ポット植えなのに、花のアップ写真ばかりなのですね。
そんな中から昔の写真を2枚。

 

懐かしくて涙が出そうになります(冗談ですが)。
一枚目はかつての自宅の玄関前。
左はポリアンサのマージョリー フェアー(Marjorie Fair)、右はランブラーのクリムゾン ランブラー(Crimson Rambler)。
かつては足の踏み場がないほど、自宅の庭でストックものの鉢植えを並べていましたっけ。
懐かしい…

 

二枚目はギーズ時代に販売していたランブラーのゲシュウィンズ シェーンステ(Geschwinds Schönste)。
あまり伸びない渋めのランブラー、お買い上げいただいた株は今も元気でしょうか?
確か宮の森の奥深い所にあるお宅に行ったような記憶がありますが、今度のぞいてみようかな。
きっとイケてると思います。ヤワな品種でないですからね。

 

マルヤマクラスの講習、今月27日(火)に1日2回やります。
昨年に続き、コンテナ栽培に絞っての内容、それはそれで面白くはあります。
地植えとは全く別な世界、やりようによってはどんなバラもイケなくはない。
こんなランブラーだって支柱をすれば咲かせることはできますからね。
玄関前など、その時に応じて移動できるので使い勝手はあります。

 

考えてみれば、販売用のバラはこの日が今季初めてのお披露目になります。

通販や店売りする前、全てが選択肢な訳で、コンテナ向きの品種を選んで各品種のいちばんいい苗を持っていこうかと。
受講された方は割引の特典あり。
各回15名限定なので、お早めにお申し込みください。
詳細はNEWS欄で。

 

今シーズン初めてになりますが、久しぶりに皆さんとお会いできるのを楽しみにしています。
いよいよ始まりますね、楽しみ。

2018

3.4


日記

温室の中@岩見沢

3月は大荒れで明けましたが、その後の暖気でどこもグチャグチャ、この時期らしくはありますね。
この後もまだまだ寒い日も続くでしょうが、そろそろ三寒四温で雪融けも始まる気配。

 

昨日は岩見沢、昨日もと言った方がいいかもで、このところ諸々の打合せを重ねています。
昨年末からいろいろとあり、どう保たせるかであがいています。
こうなれば徹底的にあがいてやろうかと、多少開き直りの境地ではあります。
雨降って地固まる、そうなることを期待したいものです。

 

そんな合間、温室の中に入ると気が休まります。
陽がさせば中はポカポカ、陽の光だけで前向きになれるような気がします。
モッコウの蕾もだいぶ膨らみそろそろですが、その前にも咲いてるものは咲いている。

 

クレマチス アルマンディ(Clematis armandii)、だいぶ貫禄でてきましたね。
百合が原でも一時暴れに暴れて手に余したことがありましたが、今はないんでしょうね。
ランブラー的な勢いは好きです。

 

同じく太い円筒柱を覆う満開のハーデンベルギア(Hardenbergia violacea)。
3箇所の柱を全部覆っています。
こんなピラー仕立てだけの構成も面白いかもしれませんね、にょきにょきと。
他の植物でもいくつか考えられますね。

 

ヘレボルスも今が満開。
その中のヘレボルス アルグティフォリウス ‘パシフィック フロスト’ (Helleborus argutifolius ‘Pacific Frost’)。
ちょっとウイルスっぽい霜降り葉の品種ですが、温室の中では有茎種の方がイケますね。
いろいろ集めて背丈くらいのものを見たいものです。外では絶対無理ですからね。

 

ジンチョウゲ(Daphne odora)とベニバナトキワマンサク(Loropetalum chinense var. rubrum)のかたまりも満開。
徒長していないこんもり感がいい感じ。

 

芝生もいい状態。
真冬はちょっと日光不足でいまいちでしたが、先月頃からいい緑になってきました。
誰もいなかったのでちょっと寝ころんでしまいました。
今の時期に芝生の上で寝こべるなんて、ここだけでしょうね。役得、役得。

 

そして先日播種したハマナシ、いくつか芽が出ていました。
さすが早いですね。
右往左往している人間とは違う。植物にはかなわないな。