イコロの森

工藤敏博の植物日記

2018.3.15日記

植え替えしながら


昨日、一昨日とイコロで在庫のバラの植え替え。
一人で3日で終わると宣言していましたが、それぞれ根に合わせてほぐしも異なり用土の詰め方も変えたりしたくなりで、プラス3日でしょうか。
すみません、頑張ります。

 

バラを植える時にいつも話しに出る、接木苗の接ぎ目を土から出すか出さないか。
講習では「出すものあり出さないものあり、モノや目的によって異なる」と禅問答のような話しをしています。

 

昨日いじった接木苗のバラの根(Jimmyさんみたいになっていますが…)。
下の黒っぽい部分は台木の根のかたまり、上の新しい根が、台木の後ろを巻いて上の接ぎ目から伸びた自根。
輸入苗特有の首の長い台木なので、台木を土の中に入れて深植えして自根が発生。
しかし、深植えになった台木の根は酸欠でほぼ傷んでしまった、との結果。

 

このことからどういうことが言えるかというと、
・台木の根を生かすには深植えは禁物
・逆に自根を発生させるには、接ぎ目を土に入れて自根の発生を促す
ということになります。

 

ですので、自根の発生がしづらく、台木に頼らざるを得ないブッシュローズなどは、台木の根を傷めないように極力浅植えした方がよく、店頭販売用などその年の生育を落とさないとの目的の場合も同様。
逆にバンバン自根が出て、将来は自根だけでイケるようなシュラブローズなどは、一年目は多少イジイジするが、早めに自根の発生を促して台木から切り替える方が得策かと。

 

これは同じく昨日植え替えたポリアンサの自根。
全然痛みが無く、均一に根を広げた見惚れるほどの根圏でした。

 

要はそのバラが台木に頼りたいのか、自根でイケるのか、その見極めが重要になります。
それぞれ違うため、一株ごとに向き合う格好です。

それが楽しくもあり。