イコロの森

工藤敏博の植物日記

カテゴリー: 日記の記事一覧

2021

11.18


日記

冬囲い景

昨日まで三連ちゃんでいわみざわ公園の冬囲いでした。
例年通りですが、やはり少し筋肉痛になりました。

 

あまり変わらない景色ですが、今年もいろいろマイナーチェンジはしています。
これは例年通りではありません。
これまでの経験と反省、新たな資材類の選択、人員の変更等々ありますからね。

 

例年通り旭川からの助っ人Annaさんは無駄なくパワフル。
現場を仕切る3年目のSさんも、抜け目ない段取りと目覚しいスキルの向上。

初めて参戦の方もいらっしゃいましたが、いいチームワークでした。グッジョブ!
歯痛と腰痛を抱える工藤だけが、例年に比べてマイナスだったでしょうか。
まあ、年相応とご勘弁ください。

 

後はつるバラなど少し残っていますが、最後までピシッと決めてほしいものです。
何よりも、絶対冬の雪と寒さから守ってやるんだとの気概が重要。
変な根性論のようですが、この思いは不可欠と思います。
触ってみて、フラつく結束とピシッと決まっている結束にその差が出る。

 

もう少しの頑張り、Sさん頼みます!

2021

11.12


日記

貫生

毎日天気の変化が激しいですね。
この時期なのでそんなもんですよね。
昨日のイコロも一時雨あられで、外作業を中止してハウス作業としました。
ハウスの中では、雨音が余計賑やかではありました。

 

で、先日某所から掘り上げたオールドローズのポッティング。

 

掘り上げて来た状態。
先ずは結束してムシロ巻きしたものを深水に浸けます。
3年ものの大株なのでボリュームあり。

 

十分給水させた後、水から出してブルーシートで覆います。
株ごとすっぽり包んで水気を切らさなければ、しばらくこのままで保ちます。
裸根で冷蔵庫内で数ヶ月貯蔵するのと同じことですね。
ただ、葉むしりをしていないので、長い枝を保たせるには早めにポットに植えたい。

 

昨日ポッティングした状態。
葉むしり、不要枝除去しながらなので時間がかかります。

 

その中で見つけた奇妙な現象。

 

ダマスクローズですが、ヒップの中から茎が伸びています。
まるでヒップをつけ抜けているようですが、ヒップの中から茎が伸びたものです。

 

バラでは花から芽が伸びることはたまに見られます。
昔の花新聞で読者からの回答をしたのが懐かしいですが、その現象を貫生(かんせい)と言います。一種の奇形ですね。
花の中心から葉が出ることはよくありますが、茎が伸びるのは珍しい。初めて見ました。
しかも基枝より太い。

 

そもそも八重花自体がある意味奇形、園芸品種は奇形を重んじてきた訳ですよね。
でもこの貫生自体は園芸的価値はない。
だったら何なのよ〜ですが、あまりの不思議さに見入ってしまいました。

ザッツオール。

2021

11.5


日記

筋肉痛

毎日冬囲いの力業が続いており、多少筋肉痛になっております。
ご同業の方々、特にバラ園関係者は同じようなことと思います。
お疲れ様です。

 

昨日は、否、昨日もいわみざわ公園。
バラも数十株なら一気にやれますが、1,000株単位になればそうもいかない。
各工程を段階を踏んで進めていきます。
丈落としから始まり、葉むしり→結束→支柱立て→支柱結束→コモ巻き。
ものによっては結束してから株倒し。
一昨日、昨日は結束でした。これがある意味力業のメインイベントかもしれません。

 

丈落としをしないオールドローズや原種類、HRgなどの大株ものは、特に力業になります。

 

今回導入した真狩方式。

 

カラビナ+クライミングロープ。
何となくわかりますよね。
ロープを一回ししてカラビナに通し、それを基点に反対方向にがんがん引っ張って締め込み、それを縄で結束。
これがあればどんな大株でも一人でやれますが、2、3人組になってやればより容易に行えます。

 

凍害回避は複雑怪奇ですが、物理的な雪害回避は何とかやり切れる。
昨年の大雪が今年は無いとも言い切れず、しっかり備えたいもです。

 

合間に秋色を堪能します。
それが楽しい。

何だかわかりにくいですが左はハマナシ、右側はHRgのThérèse Bugnet。

 

Thérèse Bugnet、年によってはあまり発色しないで終わることもありますが、今年は深い赤銅色が楽しめました。

 

家に戻って、入り口から見上げたナツヅタ。

グラデーションがいいな〜とパシャリ。
紅葉、札幌は今がピークでしょうか。
ナツヅタは、一昨年だいぶ整理しましたが、またまた屋根まで上り、窓やらレンジフードも覆い始めています。
葉が落ちたらまた整理しなければ。

 

霜が無いのでまだまだバラも見られます。
カナダのFlemingさんのFl、Mary Fleming。
今年も楽しませてもらいました。

 

札幌の冬囲いは最後の最後、まだまだ先になります。
あれこれ剪定もしたいし、新たな植え床も作りたい。
体保つかな〜。


最後になりましたが、イコロの営業は、先日の10月最終日で終了しました。
昨年に続き、何だかコロナでもじもじした一年でしたが、ご来園いただいた全ての皆様に深く感謝申し上げます。
ありがとうございました!

 

そして、シーズン通して変わることなくスマートに(これ重要)励んでくれたスタッフにも感謝です。
最高のスタッフ、これが自分にとっては何よりの宝ものです。
ありがとうございました。

 

2021

10.29


日記

土改ライン

今朝の札幌も結構強く雨が降っていますが、昨日は久しぶりに合羽作業でした。
他の時期なら雨天順延もできますが、今の時期はずらせられません。

 

いわみざわ公園、先日引いた土壌改良のライン。
スプレーでライン引きしていたこともありますが、今はラインパウダー(炭酸カルシウム)。運動会のあれです。
雨でも残り、何といってもくっきり見やすいく、ライン引きも楽。
思わず走り出したくなります。

 

昨日行ったら施工業者の掘削が終わっていました。幅高さとも20cm。
天気に恵まれ順調にいったよう。
この溝に堆肥を混入した腐植土を入れて終了。

 

毎年場所を替えて行い、概ね3年空けてまた戻ります。
可能であればその時は十文字になるようにしたいものですが、やはりやりやすいラインを選ぶことになるので、そうもいかない。
でも、しっかり場所とラインを記録してくれているので毎年計画立てて行うことができます。
土壌改良の履歴は重要です。

 

昨日作業した側の茂み、手前の赤く紅葉したRosa nitidaがいい感じでした。
その背景のハマナシとカツラの黄葉と、いい絡み。

 

そのニチダ、学名通り「艶のある」葉が特徴で、サッカー(吸枝)がやたら出るので植えつぶしには最適な材料と思います。
個体によっては黄葉するものもあるので、それらを使い分けると面白いでしょうね。

 

そろそろ最終の秋花。
先日の大通公園のBrass Band。
アプリコット系の秋花も、やはりこれまでとは別もので魅力的と思いました。

 

その大通公園、先日は久しぶりにボランティアの皆さんと再会。

 

相変わらず皆さん熱心で、行くたびに楽しい時間を過ごせます。
来年こそはマスク無しでお会いしたいものです。

 

遅ればせながら今年もお世話になりました。
ありがとうございました!

2021

10.27


日記

Ø26mmの黒

一昨日と昨日、真狩村の空の庭でバラの冬囲いをして来ました。
両日とも天気に恵まれ、最高の冬囲い日和。
いつも空の庭が自分の冬囲いの一発目。雪早いですからね。

 

昨年の大雪で支柱の鋼管竹(イボ竹)がだいぶへなったので、Ø26mmのものを購入してもらいました。
Ø26mm以上になれば黒もあるとのことで、当然黒を選択。長さは2100mmと1800mm。
従来はØ20mmの浅い緑色、どちらもハンマーで打ち込まなければならないが、景色的にはやっぱり黒の方が断然いい。

 

喜茂別からこちらはどこも丸太が主流。丸太組みも自分は好きですが、バラにはやはり少し大袈裟。
Ø26mmなら余程のことがなければ保つかと思います。
太くなれば結束が大変かと覚悟してましたが、竹よりは力業にはなるもののØ20mmとはあまり変わらないもんです。
今後は豪雪地はØ26mmの黒でいきます。

 

最後まで咲いていたSnow Ballet。
やはりほんのりピンクが乗った秋顔に。

 

試行錯誤してきた温室横の法面の芝生もいい感じでした。

 

その入り口で咲いていたピンク花のイチゴ。
昔「ピンクパンダ」の名で流通していた品種でしょうか。
シーズン最後まで咲くんですね。結構本格的に咲いていました。

 

二日間の行き帰りの道中は紅葉でお腹一杯になりました。役得、役得。

この後雪に覆われ、この次行くのは春の剪定時。
年々確実に景色ができてきています。
来年もよろしくお願いいたします。