イコロの森

工藤敏博の植物日記

2019.11.11日記

野村和子さん、逝去。


こういう葉書が来る時期になりました。

 

野村和子さん、今年の4月20日に亡くなられたとのこと。
ほぼ業界付き合いがなく情報に疎い自分、全く知らず、昨日喪中の葉書を息子さんからいただき知りました。
驚きました。

 

バラ好きの方なら、「ローズガーデンアルバ」や「草ぶえの丘バラ園」の管理運営を担っていたことや、「オールドローズ花図譜」などの著書でご存知の方も多いと思います。

 

自分が最初にお会いしたのは、30年ほど前、京成バラ園にあった鈴木省三さんの研究所でした。
研究所といっても小さな離れみたいな建物で、鈴木さんの秘書をなさっていました。
鈴木さんと話している間に美味しい煎茶と、これまた美味しいこし餡のお饅頭を出してくれたのをよく覚えています。
鈴木さんには不躾にもいろいろ尋ねた記憶がありますが、あの調子ではぐらかされて、結局はハマナシ談義で終わったような。
北海道とも昔から縁がある野村さん、札幌から来たということで懐かしそうにいろいろ尋ねられました。

 

その後何回か百合が原公園にもいらしていただき、恵泉女子学園のツアーなどでも何回かイコロの森にも来ていただきました。
困った時の神頼み的な相談もさせていただきました。

 

不遜ですが、会う度にハグしたくなるほどキュートなおばあちゃんでした。
好みのバラは妙に一致し、いじくり回したバラとは一線を画す、僭越ですがそんなところは数少ない同胞と感じていました。
今でもこし餡のお饅頭を食べる度に、野村さんのあのくちゃっとした笑い顔を思い出すのです。

 

合掌。