イコロの森

工藤敏博の植物日記

2019.10.11日記

「日曜ばら作り」


「ぴんくのぞう」見てみたいものです。

 

自分は昨日は羽幌へ日帰り。
冬囲いの講習、今シーズンの一発目でした。
秋晴れの穏やかな日、絶好のドライブ日和でしたが、片道3時間、講習2時間喋り続けのとんぼ帰り。
何もかんも忘れてもっともっと走り続けたかったが、とんぼ帰り。
しょうがないですね。

 

ボランティアの方など20名ほどが参加。
人口比で考えればどこよりも多いといえます。
旧知の方も多く、ゆるい感じが何とも心地良く楽しい時間でした。
また来年お会いしましょう!
ありがとうございました。

 

はぼろバラ園、もう秋花は見れません。
冬囲い開始してました。
早すぎるんだよな〜
来年からは少し先延ばししてもらうようお願いしました。
いろいろ都合あるだろうが、本末転倒ですからね。

 

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最近またまた合間に家の物ものを整理しています。
何せ築70年以上の家、できるだけ2階は軽くしてしておかねば、と。耐震構造でも全くないですからね。
親の代からの物もの、本人にとっては宝ものだったんだろうな~と思しきものばかり。
そんなもんですよね。
感傷に浸るより、苦笑しながら片付けています。

 

そんな中、母親の書物類の中に結構植物絡みのものがある。

 

「日曜ばら作り」、昭和44年発行とありますが、初版は昭和34年のよう。
池田書店の実用書シリーズの32。
母親のバイブル的な本だったようで、自分も若い頃に横目で見た記憶がしっかりあります。

 

著者は野村忠夫氏、小学生の頃からのバラ好き、輸入ものの黄色のバラを入手してそれに熱中、戦後、NHK職員のかたわら日本バラ会の常務理事として鳩山一郎や吉田茂などのバラファンを集めて、バラ栽培のブームのきっかけを作った人、と著者紹介にあり。
また、キュー植物園のそばに居をかまえ、バガテルのコンクールの審査員もしていたそう。
うーん、もうバラ一筋ですね。

 

そんなことにも驚きましたが、中を読んでもっと面白かった。
「日曜ばら作り」、文字通り一年12ヶ月、毎週日曜に行うべきバラの作業が1月から12月までの順で書かれています。
今とは気合いが違いますね。真面目です。

 

「シュラッブ・ローズ」、「ミニエチュア・ローズ」、苦笑しますが分かるような気がする。
今度から「シュラッブ・ローズ」って言おうかな。

 

植え床は70cm×70cm、昔はそうですよね。80cm×80cmなんて本もよくありました。
気合いが違う。

 

巻末の「人気品種リスト」。
全部で260品種ほどの一覧。これが面白い。
あいうえお順、系統混合、ぐちゃぐちゃのあいうえお順、うーん、今では不思議な感じがします。
それに母が◯やら◎やら付けてました。
見ててすごくわかるような気がして、少し感激。
その中にElmshornなんてありでまたまた感激。

 

その本の中に数枚のチラシみたいなのがはさんでありました。それがまた面白い。

 

こんなの出していたんですね、興農園で。
「札幌市札幌駅前」、いいですね~住所なんていらないもの。
王道だったですからね。

 

「安物に注意。良いバラ苗は長年にわたる投資とお考えいただきたいと思います」(原文まま)。
いいですね~
そう、そう!と笑ってしまいました。
ちなみに、これにも植え穴は60~80cmって書かれています。

 

その最後に書かれた母のメモ。
他の部分にもありましたが、圧倒的に防除に関するものが多い。異常にマニアックに。
当時はそうだったと思います。
病虫害を克服することが何よりも重要視されていましたから。

 

今とは別世界の話なんですが、初心に返らせてもらった気がしました。

 

今度、母がいる介護施設に持っていこうと思います。
至福のタイムスリップができるかもしれません。