イコロの森

工藤敏博の植物日記

2020.6.23日記

2020ハマナシ行脚


昨日まで2泊3日で道東方面へ。
自分の年中行事、ハマナシ行脚です。

 

この数年、初夏の花見と秋の採種セットで毎年2箇所狙いで行ってましたが今年は1箇所に。
何せ強行軍、体力に少し自信ないのもあり、今回の野付半島から風蓮湖まではえらく濃密なのでじっくり臨むことに。

 

ハマナシの開花には少し早かったかもしれませんが、十分収穫あり。

 

風蓮湖と海を分ける砂丘の走古丹(はしりこたん)の先端の赤花。
明らかに他とは違うかなり赤い群落がありました。

 

昔、イギリスから Rosa rugosa rubraという株を輸入して百合が原公園に植えたことがありましたが、ハマナシとあまり変わらず(そう言われれば少し赤み乗っているかな~の程度)、この個体の方がよっぽどrubra(赤色の)っぽい。
今まで見た中でいちばん赤みが強いかもしれません。
秋に採種決定!

 

その他あちこち目星をつけて来ましたが、番外編。

 

別海町の林縁で見つけたカラフトイバラ( Rosa dauvurica)。
いい感じでいい群落を作っていました。
昔、野付国道沿いの海岸線で2箇所ほどで群落を確認していますが、今回は見つからず。
内陸の方が残るチャンスがあるんでしょうね。
よほど環境合うのか、下草の中からいっぱいストロン出していましたが、レッドリストものだからもちろん掘り取る訳にはいかず、これももちろん秋に採種。
めっけもんです。

 

野付半島の今はハマナシよりセンダイハギ( Thermopsis lupinoides)。
どこも満開、やっぱりメッカですね。
同じマメ科だが別属のムラサキセンダイハギ( Baptisia australis)はよく使われる宿根草ですが、おそらくこちらの方が旺盛に育つでしょうね。
ネイティブものだし、あちこち道路まで出っ張ってましたから。

 

最後にハマニンニク(テンキグサ  Elymus mollis)。
今の砂丘の主役でしょうか。
細い道路の両脇にシャープな穂が延々と続く様に見とれました。
アイヌ民族も同じ景色を見ていたのでしょうね。

 

うーん、本当は4、5日、いや1週間、それも各季節毎にここにいたい!と思いました。
至福の時間でした。