イコロの森

工藤敏博の植物日記

2021.8.29日記

道端の花と古本


いつもの通り道、その2箇所に今が盛りと咲いているホソバウンラン(Linaria vulgaris)。
先日お盆に墓参りに行った時も、春に除草したもののホソバウンランだけが育ちお花畑状態でした。
毎年のことなので、自分にはどうもお墓の花のイメージがあります。
毎年抜いても抜いても残ります。

 

ユーラシア大陸原産の帰化植物、まあ雑草なのですが、もともと明治~大正時代に観賞用あるいは薬用植物として持ち込まれたものらしいので、これだけ強いので本来の観賞用植物として利用されてもいいですよね。
どれだけ拡散するかわかりませんが、あちこちあるという訳でもなく限定的と思います。
耐寒性のある多年草、今年のような高温旱魃にも耐え、何よりも花期が長い。園芸的には極めて優秀な訳ですから。
少し掘り上げてストックしておこうかとさえ思ってしまいます。

 

今イコロでは事務所など管理施設の一部変更に伴い、施設内の引っ越しを進めています。
先日は以前持ち込んだ書籍類の移動をしました。
その中にあった一冊。

 

昭和16年発行の「農業世界」という雑誌の付録。戦前ですよね。
漢字は全部ルビ振り、「鑑賞」は「くわんしやう」と。
だいぶ前に古本屋から購入したものですが忘れてました。

 

系統説明で、今はほぼ死語でしょうがペルネティアナ系を随分熱く語っているなど、その時代を想像できて楽しい。
栽培方法も防寒方法など、今よりある意味マニアックかもしれません。
その他数冊古い本を持ち帰って読んでますが、どれも的を得ていて新鮮です。
昔の人は熱い。