イコロの森

工藤敏博の植物日記

2021.11.12日記

貫生


毎日天気の変化が激しいですね。
この時期なのでそんなもんですよね。
昨日のイコロも一時雨あられで、外作業を中止してハウス作業としました。
ハウスの中では、雨音が余計賑やかではありました。

 

で、先日某所から掘り上げたオールドローズのポッティング。

 

掘り上げて来た状態。
先ずは結束してムシロ巻きしたものを深水に浸けます。
3年ものの大株なのでボリュームあり。

 

十分給水させた後、水から出してブルーシートで覆います。
株ごとすっぽり包んで水気を切らさなければ、しばらくこのままで保ちます。
裸根で冷蔵庫内で数ヶ月貯蔵するのと同じことですね。
ただ、葉むしりをしていないので、長い枝を保たせるには早めにポットに植えたい。

 

昨日ポッティングした状態。
葉むしり、不要枝除去しながらなので時間がかかります。

 

その中で見つけた奇妙な現象。

 

ダマスクローズですが、ヒップの中から茎が伸びています。
まるでヒップをつけ抜けているようですが、ヒップの中から茎が伸びたものです。

 

バラでは花から芽が伸びることはたまに見られます。
昔の花新聞で読者からの回答をしたのが懐かしいですが、その現象を貫生(かんせい)と言います。一種の奇形ですね。
花の中心から葉が出ることはよくありますが、茎が伸びるのは珍しい。初めて見ました。
しかも基枝より太い。

 

そもそも八重花自体がある意味奇形、園芸品種は奇形を重んじてきた訳ですよね。
でもこの貫生自体は園芸的価値はない。
だったら何なのよ〜ですが、あまりの不思議さに見入ってしまいました。

ザッツオール。