イコロの森

イコログ

2016.2.24ナーサリー , 日記

しんふぃおとりくむ


ただいま、絶賛冬籠り中のイコロです。

温室内での宿根草の整理が続いています。

昨シーズン販売していた苗のゆるめ(=大きいサイズのポットに植えかえること)や、

株分けを行い、苗をさらに良い状態にして、春のオープンに備えるというわけです。

ざっくり学名の「A」から進めており、現在「S」です。(日向の植物部門)

 

昨年まで「Aster」として販売していた宿根草があるのですが、

数年ぶりに購入したRHSのPlant Finderをしっかり見直してみると、

大部分が「Symphyotrichum」に変わっていました。

 

和名や英名、さらに学名が一般的に使われているものなどなど、混沌とした園芸植物の名前の世界。

とりあえず、イコロの森では、学名で表記することに統一し、これまでやってきました。

中には、まったくなじみのない学名も多く、お客さまにしてみれば記号のようになってしまうので、

一般によく知られる和名や英語名などは、併記するようにしています。

ただ、学名で記しておくと、この花とあの花はざっくり同じグループだね、というのがお分かり頂け、

宿根草を育てる方にとって、結果的に良い情報になるだろうなと、信じてやっています。

ご不便もおかけしますが、少しずつ慣れていただいて、なんとかやらせていただいています。

 

ここへきて、「Aster」の一部も、弊社のルールにのっとって「Symphyotrichum」として、

売り場に並ぶことになります。当然、アルファベットがちょっと、、、という方が一般的なので、

カナ表記もするのですが、ここでも頭を悩ませます。

Syは「シ」なのか、「サイ」なのか。(英語圏の人はたとえば、Hydrangeaを「ハイ」ドランジアのように発音し、その読み方が日本でも浸透している)

mは「ム」なのか、「ン」なのか。

tは「ト」なのか、「トゥ」なのか。

日本語にはない発音もふくめ、他の言語を、無理矢理カナで表現しようとするので、

正解はないのかもしれませんが、自分たちなりに、いろんな文献をさぐりながら、ルールを作っています。

ということで、Symphyotrichumは「シンフィオトリクム」と表記することになりました。

売り場のPOPには、ちゃんと、アスターと併記しておきますので、ご安心ください。

 

そして、花はこれですよ!

Aster dumosus

Symphyotrichum dumosum (シンフィオトリクム デュモスム)

 

Aster laterifolius var. Horizontalis

Symphyotrichum lateriflorum var. horizontalis (シンフィオトリクム ラテリフロルム ホリゾンタリス)

 

ほかにもいろいろ、店頭に並ぶ予定です。ご期待ください。

 

この冬は、植物の名前についてよく考えたので、お堅い内容になりました。

ちなみに、「メイン」という言葉、あるじゃないですか。「メインディッシュ」とか「メインイベント」とかの。

出版とか放送?的な業界の決まりでは、ただしくは「メーン」と言うらしいですよ。

豆知識でした。

 

COMMENT(4)

  1. 高林さま。
    おはようございます。スッカリご無沙汰です。
    まだまだ雪深いみたいですね……昨日はこちらも降りました。
    さて、宿物に限らずカタカナ表記にするのは難しいですね……。
    僕は基本はその国の発音に近いもの……と思っていますが、
    業界内の通例みたいなものもあるし……。
    今では「Mme. Hardy」を「マダム・アルディ」と言うのが普通ですが、
    大手の薔薇園でも未だに「マダム・ハーディ」だったりして。
    僕は面倒臭いのでブログでは原文のまま載せています。
    昨日も食事の席で「イコロの森」の素晴らしさが話題に上がりましたよ。
    そろそろ行く日を段取りしないと……頑張ってください!

    ブノワ。

    1. ブノワ。様。
      いつもありがとうございます。ご無沙汰してます!
      そうですね。我々も栽培品種名はその国の発音を、と思っていますが、
      英語やフランス語などならなんとなく雰囲気でいっちゃえますけど、北欧のどこかの言葉とかになると
      これはこれでまたお手上げですよね。その辺はインターネットで発音聞いて、感じたままにカナにする、
      という方法をとるときもあります。とにかく苦労しますね。
      今年も皆さんに楽しんでいただけるように頑張ります。お待ちしています!

  2. 昨年、ファーガスさんのレクチャーの時に大雪と千年の森でお会いした者です。

    学名の読み方ってややこしいですよね・・・。御存知かもしれませんが学名の読み方に関しては、日本植物分類学会会報の第3号(1953)に「ラテン語の実際的なカナ文字化(案)」というのが存在するそうです。

    以前、改良園さんが発行している『園芸世界』の記事で知りました。

    『園芸世界』には3回に分けてその連載記事が載ったのですが、載っていたのは『園芸世界』2011年8月号、2011年10月号、2012年2月号の3冊で、とても判り易かったです。

    大きな図書館とか植物園にはバックナンバーがあるのではないでしょうか。

  3. COCA-Zさま
    その節はありがとうございました。
    そして、この度のコメントもありがとうございました。知らなかったので、大変貴重な情報になりました!「園芸世界」はたしか弊社にもあるはずなので、もう一度しっかり読み返します。。。

    ちらっとブログ拝見しました。いろんなところに行かれていてうらやましいです。またゆっくりお邪魔します!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA