イコロの森

イコログ

投稿者: 高林の記事一覧

2017

12.12


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日記
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アキレアノネ、アガパンサスノネ

ボーダー掘り取り苗のポッティングアップが終わりまして、販売苗の在庫の整理をはじめました。

イコロの森で販売している苗は、オリジナルでブレンドされた専用用土に植えています。宿根草は販売期間がオールシーズン(冬季休業中は除く)。花が咲いているときだけではありません。花が咲いていないものは、売れ行きもよろしくないので、お店の面積が限られていたり、仕入れ中心でやられていたり、というお店ではなかなか陳列できないかもしれません。イコロの森は自家生産苗ですから、基本的にオープンからクローズまで、ラインナップされた全ての苗が店に並びます。ということで、これから来年の秋までしっかりと育てなければいけませんから、ポットに植え込む時もどんな土に植えるかはすごく大切なのです。植え込むポットもしっかりと根が育つ、ちょうどよい大きさを、種類や個体によって選んでいますので、まちまちです。大変ですが、それを考えるのも楽しいものです。

 

Roots File 09 Achillea ‘Apfelblüte’  アキレア ‘アップルブロッサム’

育苗ポットから取り出して、土を落とした状態です。このようにひとつひとつ丁寧に余分なものを取り除き、可能なものは株分けもしてフレッシュな状態に戻しますよ。

 

Roots File 10 Achillea   millefolium ‘Weisses Wunder’ アキレア ‘ヴァイセス・ウンダ’

こんな感じで勢力を拡大するんですね。でもこぼれダネで増えるほうが気になりますかね。「あ、こんなところに。」と思う時がたまにありますよ。そんな自然な増え方もまたよし。

 

Roots File 11 Achillea   ‘Terracotta’ アキレア ‘テラコッタ’

大鉢に植えている見本苗の根です。イコロの森では、成長したときにイメージしてもらいやすいよう、ほとんどの販売種類でこのような見本鉢を作成しています。ぜひ参考にしてください。それでも、宿根草ですからいつでも咲いているわけではありません。ちょいちょい、お店を覗いてもらえると嬉しいです。あ、でももっと分かりやすいのはもちろんガーデンですけど。見本鉢は、販売苗が売り切れたりなどした場合にはイコロハウス前のポットディスプレイにも利用しているので便利です。

 

Roots File 12 Agapanthus ‘Blue Triumphator’ アガパンツス ‘ブルー・トライアンファター’

 

Roots File 13 Agapanthus ‘Duivenbrugge White’

アガパンサスの根は、白くてやや太めですね。上のアキレアと比べればその違いはおわかりと思います。根だけみれば、ホスタの根もこんな感じの記憶なんですが、育つ土の性質って違う印象ですね。ちなみに、アガパンサスの苗は、去年の秋、11月の積雪と霜にやられてネチョネチョになってしまったので、今年は閉店直後に温室へ逃がしました。さらに、今年は自慢のオリジナル用土にレキを余計に追加してポッティングしてます。ご期待ください。

ところで、アガパンサスは鉢植えで根っこがパッチパチの方が開花しやすいと言いますね。庭植えで十分越冬しますが、ポットで寒さを避けた方が大きくなるかもしれないですので、鉢植えもお勧めします。良く通る道沿いで、すごく上手にたくさん咲かせている鉢植え見るんですよね。いつもうらやましいと思ってみてます。

2017

12.13


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ルーティン始まる

引き続き、順調に苗の整理を進めています。

 

 

こうなると、毎年のように、ただただルーティンをこなす毎日となります。ブログも、「今、Aです。」という報告が始まり、B、とかCとか言い始めます。通勤の景色もこれから数カ月はあまり変わらず、合わせる顔も同じ。これが我々の冬籠りのリアルガチです。向いてない人には向いてないだろうな、と想像できます。ぼくの場合は「安定した毎日は悪くない」と思う方ですが、それでもたまに、( ゚Д゚)、とかヽ( `皿´ )ノ、とはなります。でもこつこつやっていたことが終わったときの達成感は気持ちいいんです。そして自信をもって販売できます。今年も絶対に気持ちよくなるぞ、という意気込みです。

 

Roots File 14 Ajuga genevensis アユガ(アジュガ) ジェネウェンシス

アジュガといえば皆さんご存じのあれがありますが、それとは違う種類のアジュガです。こちらもカーペットのように葉っぱが広がってよいグラウンドカバーになりますよ。下の写真が開花中の様子です。写真の奥側、プリムラの後ろにあるのがこのアジュガです。しかし、こんなに根が長いとは。

 

Roots File 15 Alchemilla mollis アルケミラ モリス

太い根茎が地面と水平に少しずつ伸び、それから地上部に芽が、地下には根が伸びていきます。ビニルポットに入っているものは、そのポットの隅を根茎と新芽が押しまくって変形しています。その根茎と芽と、根の位置関係を良く見ながら刃物で切り取って株分けしています。庭植えのものをやるときは相変わらずスコップでざっくりきればよいと思います。こぼれダネでも増えますが、根も丈夫。

2017

12.15


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マシュマロ

Roots File 16 Althaea officinalis ウスベニタチアオイ

かつて、根がマシュマロというお菓子の原料であったとか。今は違うそうですが。根や葉に含まれる粘液質が炎症などに効くそうですよ。ちょっとさわってみればよかったですね。粘液質。

 

 

Roots File 17 Amsonia ciliata アムソニア キリアタ

 

Roots File 18 Amsonia hubrichtii アムソニア フブリクティイ

 

Roots File 19 Amsonia tabernaemontana ヤナギバチョウジソウ

アムソニア(チョウジソウ)属。どれも、地際の部分は木質化していて、その塊から芽と根が出ている感じです。細い根がたくさん出ているけれど、あまり細かく株分けするのはお勧めしません。株分けする場合は、鋭い刃物かスコップで堅い固まりになっている部分を大きさに応じて半分か4等分くらいにするのが良いと思います。他の宿根草に比べて株分けの頻度は少なくて良さそうです。

2017

12.19


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タイプの根

Roots File 20 Asclepias incarnata ‘Ice Ballet’ アスクレピアス インカルナタ ‘アイス・バレエ’

白くてスムース、やや太めの根はきれいでタイプです。しっかりとした茎も好みです。

 

Roots File 20 Asclepias ‘Cinderella’ アスクレピアス ‘シンデレラ’

こちらは見本鉢の根。白くてきれいな根は同じ。開花を終えた茎はかなりしっかりと頑丈です。ここまで土を落としてしまえば、茎をもって両側に裂けば、株分けできます。

 

ちなみに、

中にはこんな感じで、メロメロの根も。元気がなさそうですが、白い細根もわずかに見られるので捨てるのも惜しく、商品とは別に、養生用として植え込みしました。来年は売り場には出せませんが、様子をみて問題なければ再来年はまた商品として復活するでしょう。

 

さて、アスクレピアスのシードヘッドは大変美しく、これもまたタイプであります。

シードヘッドとドライフラワーはまあ、違うものですが、いま、アジサイ‘アナベル’のドライフラワーをビッセにて販売しております。めぐり市in BISSE クリスマス・ギフト・マーケットにイコロの森も出店しています。アナベル以外にも、ガーデンで収穫した美しい素材をクリスマスの飾りにしていただきたく、持参していますので、ぜひのぞいてみてください。マーケットではぼくたち以外にもお菓子や雑貨・服など、いいモノたくさん見られますよ。昨日は店番だったので、色々物色し、チャイスパイスのブレンドされた甘酒買いました。寒い日にはこれであったまろうかと思います。

めぐり市 in BISSE クリスマス・ギフト・マーケット

2017

12.22


日記
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ポッティング・スタイル

オランダからの宿根草、やってきましたよ。今年は花木もありますよ。工藤北村のブログにもありましたが、立派な苗。数年前に入れたときと全然違うサイズで驚いております。ほんと、温室に並んでいるのを眺めるだけで嬉しくなりますね。積雪とか寒さとか、色々あるけど、なんとかカラーステムを使ったウィンターガーデンを北海道でもっと楽しみたいと思うわけです。雪という素晴らしい背景があるわけですからね。初めてイギリスでウィンターガーデンを見たときは、余りのメルヘンぶりに驚愕しましたが、もっとメルヘンになりますな。雪があったら。

 

ところで、ポッティング作業が続くこの冬籠り生活。今年はイコロの森の温室においても、そのポッティングスタイルにちょっとした変化の波が。それはスタンディングスタイル。

温室の整理整頓をしていた時に、「このテーブル、ここにあるの意味なくね?」「ここにあるから、みんな、気軽に物を置いちゃうんだって。」という議論から、「じゃあ、どこ置くよ。」となり、「ポッティング作業、立ってやれた方が楽じゃね?」となり、ここに移動となりました。ポッティングはイコロに来てからずっと風呂の椅子に座ってのスタイル。かねてから、スタンディングスタイルで作業できるといいなとは思っていました。英国修業時代は、どこも立ち作業で、姿勢自体はすごく楽だったという印象なんです。でも、用土をテーブルに乗せるという工程がなかなか難儀。以前は温室内で土を配合していたこともあり、こねたものを作業台に乗せるのは一苦労だから、それなら床に土をおいたまま座ってやった方が楽だなと思っていたわけです。でも、ここ数年はブレンドしてもらった土を袋に詰めて納品してもらっているわけだから、その手間は床でもテーブルでもそう変わりません。そういうわけで、このようなスペースが誕生したのであります。テーブルの対面に壁は必須ですよ。

 

今やっている、輸入苗のポッティングは人数をかけて次から次へとどんどん進めたいので、広い床に用土を広げてみんなで風呂の椅子に座って、囲みながらの作業が効率は断然良いです。なので、状況に応じて、座ったり立ったりしながらやっているけど、姿勢だけで言えばやっぱり立ってる方が楽ですね。腰を曲げなくて良いので。

 

そんなこんなで、私も若いつもりが、ひとポット毎に、どんどん年取りますので体をいたわりつつやりたいもんで、助かってます。

 

ちなみに英国修業時代のポッティングシェッドの様子を紹介したく、写真を探したんですけどなかなか出てこず。

ディクスターの屋外版ポッティングエリアがこちら↓

なんか、味わい深いですね。

 

グレイトパーク時代のポッティングシェッドの写真の代わりに、Vine Yardというガーデンからちょっと離れた場所にあった第二生産施設のメスルーム(休憩室)の写真を。

狭くて、少し汚く、なんの色気もない、うらさみしさ満点のメスルーム。自分で作ったサンドイッチを無言で食べてた、体をいたわるなんて知らなかったころの自分を思いだします。。。一応言っておくと、ここは毎日使う場所じゃないから、こんな感じなんですよ。

 

では、明日からも引き続きポッティング、頑張りましょう。