イコロの森

イコログ

2017.10.17PLANT OF THE DAY , 日記

Dead Leaves


本格的な寒さとなり、事務所(イコロハウス裏)では昨晩よりとうとうストーブがつきました。日中は、陽射しがあれば外の方が断然暖かく、イコロハウス内はオールシーズン、やや冷えております。夏は、「あ、すずしい」とガーデン散策から帰ってきた方の声が聞こえることも多いです。

そんな、イコロハウスから眺める秋の庭は、室内の冷えと相反し、オレンジ色のあたたかみのある風景です。モミジの紅葉もピーク。地面には落ち葉の絨毯ができています。園路上の落ち葉でさえ、「踏んでしまうのがかわいそう」とお客さんも言っておりました。

落ち葉の間からのぞくフッキソウの緑も良い感じ。このままにしておくと、春に残念なことになるので、積雪前にそうじをしなくてはいけませんが、しばらくこのまま楽しみましょう。このように木から落ちてからの姿もよいですねえ。桜が散って、川面を流れる風景もそうですが、こういうのに何かしら感じるというのは、日本人的なのかもしれんと思います。留学中、落ち葉の写真を撮っていたら、「日本人は‘死んだ葉っぱ’(Dead Leaves)が好きだな」と言われたのを思い出します。まあ、イギリス人も「Autumn Colour(秋の紅葉)」は楽しんでいましたので、ちょっとしたユーモアなのでしょう。話しはそれますが、作業中に何かが木から落ちた音がしたことがあって、その時の現場のボス(その名もミスター・ビーン)が「Squirrel’s suicide.(リスの自殺だ。)」とつぶやいたのもおもしろかったです。イギリスだなあ。。。

 

PLANT OF THE DAY 44

Aconitum carmichaelii ‘Arendsii’ アコニツム カルミカエリイ ‘アレンジイ’

秋深まるころ、青紫色の花を咲かせます。草丈は150~200㎝程度なので、花壇の中盤~後方に植えるとよいでしょう。少し傾きやすいこともあるので、添え木の支柱が必要な場合もあります。紅葉やグラスの穂などとの相性は抜群です。この季節は庭全体が赤や黄色、オレンジ、茶色に染まります。その中で、ほんの少しだけ、こんな感じの色があると、「お」ってなりますね。秋に開花する貴重な宿根草です。イコロでは元気に育ちますが、千歳のお客さんの庭では二年連続で何かに食べられたように上半分がなくなっており、花を楽しむことができませんでした。原因はまだ分かりません。

(写真:イコロの森 レストランガーデン/2017.10.16)

 

アコニツム属は全草(根茎葉など)に毒性がありますので、くれぐれも口にしないよう注意しなければなりません。さて、この件について、クリストファー・ロイドは著書「Garden Flowers」にて、いかにもイギリス人らしいエッジの効いた文章で書いています。この本、たびたびこのブログでも触れているかもしれませんが、いわゆる事典的なお堅い感じでなく、あくまでクリストファーの視点、主観で植物の解説がされているので、植物を通してクリストファーの人物像を想像できて、それぞれの植物に対する興味や見方も変わりますよ。英語の勉強にもなりますから、興味のある方は読んでみてね。(ISBN 1-84188-124-4)

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