イコロの森

工藤敏博の植物日記

2017.6.24日記

ハマナシ採種#1


札幌初め、あちこちバラの花が目に付き、いちばん華やかな時期を迎えています。

 

そんな中、自分の今年の目標のひとつ「ハマナシ採種」の一発目を実行しました。
先ずは開花期に合わせての現地調査、その後秋に採種実行の予定。
以前見て歩いて目星を付けていた所など、今年は取りあえず5区域11町村に狙いを定めています。
全道的に減少している状況で、できれば各地域の特異性を醸し出している個体を見つけたい、それを育成して、いわみざわ公園バラ園の「ハマナスの丘」のコレクションを補填するのが目的です。

 

第一弾は、花が早い道南から、上ノ国と鹿部に行ってきました。
やはりどちらも激減しており、古い地図にマーキングしている場所を走っても見当たらず、かなり自生場所が狭まっていることを実感しました。

 

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上が上ノ国の洲根子岬、下が鹿部の黒羽尻崎の岩山にへばりつくハマナシ。
これらは明らかに狭められて残った株です。
何か胸が締め付けられ、愛おしささえ感じました。

 

道路沿いや施設の外構などでも見られますが、現地での移植株もあるでしょうが、移入株である可能性も大いにあり、それらを本来のそこでの自生株と見なす訳にはいきません。
白花ばっかり並んでいるいる場面もあり、あり得ません。

 

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鹿部の海沿いのあるお宅。
しっかり手を入れ、ハマナシと宿根草類をうまく絡めてボーダーを作っています。
でも、白花初めハマナシは園芸品種と見ました。
残念ながら、かつては防波堤の向こうに見えるテトラポットの浜辺にあったハマナシは入っていないと思う。

 

選択は順当だと思います、かつてはハマナシが多くあった浜ですからね。
土現などが修景のために道路沿いに植えるのも同じでしょう。
でも、植えて10年もすればいかにも自生もの然としてしまうのが危険と思います。
遺伝子的には自生種とは全然違う訳ですから。
誰も根深い浜から掘って移植するより、入手できる株を植えますよね。
この辺のこと語れば長くなってしまいますが、そんなこともあり、今のうちに本来の自生種を見極め、残そうとの思惑なのです。
来週は昔よく通った長万部と豊浦、寿都を予定しています。
今回以上に少なくなっていると想像していますが…

 

一転、今日は大通公園でのバラフェスタ。
ツアーやら相談コーナー対応ですが、イコロからお薦めのバラやら宿根草も持参します。
自分から持ち込むことは珍しいのですが、昨日イコロでじっくりバラを選びました。
今日明日限定でボランティアの方々の手で販売されます。
バラ園のバラも満開なようで、バッチリ合いました。
問題は天気ですが、今日は辛うじて雨はないようですね。
大通12丁目でお会いしましょう!